【小説】『ビアンカ・オーバースタディ』を読みました。ラノベのような何かで……これはなんだ?

 自分は普段BOOK☆WALKERの電子書籍を利用しています。BOOK☆WALKERでは月の購入金額によって来月のラインが決まり、ランクごとにコイン(ポイント)還元がアップしていく仕組みになっています。第一段階として2,000円の購入で来月3%還元のランクになり、読むのが遅い自分としては2,000円分の書籍で一ヵ月をやりくりできてしまえるので、BOOK☆WALKERの活用としてはまずこの月2,000円でのランクアップを目指しています。

 そんな中、10月の利用状況が、2,000円まであと300円程度足りていない状態でして、何か適当なものでも買ってランクアップさせようとサイト内を彷徨った結果買ったのがコレ。いやちょうどKADOKAWA作品の半額セールを開催していて手頃な値段だったので。……まあ毎月何かしらのセールとか50%還元とかやっていますので、別に無理してランクアップさせる必要もないんですけどね。

 そんなこんなで、前々から作品の存在は知っていたものの読む機会がなかったので、せっかくなので読んでみることに。タイトルは『ビアンカ・オーバースタディ』

  基本的な書籍情報。

  著者:筒井 康隆

 『ビアンカ・オーバースタディ』

  KADOKAWA 角川文庫より出版

  刊行日:2016/5/25

  あらすじ

 あらゆる男子生徒から熱視線を浴びまくる超絶美少女・ビアンカ北町は、生物研究部員としての生殖の研究が大好き。ウニを使ったいつもの実験に飽き飽きしていたところで、ついに閃いてしまう。毎日凄まじい愛の波動を送ってくる可愛い後輩・塩崎哲也に、研究に協力してもらおう!そんな中、部活の先輩・千原信忠が実は未来人だったと判明して!?まさかまさかの美少女ライトノベル、まだ見ぬ筒井康隆の新世界、開幕!

 この『ビアンカ・オーバースタディ』の作者は、あの筒井康隆 大先生。『時をかける少女』や『日本以外全部沈没』などなど、SF御三家の一人としてもお馴染みの日本を代表するSF作家です。

 そんな筒井康隆 御大が、あの名作ライトノベルの涼宮ハルヒシリーズの影響を受けてライトノベルを書いたことはあまりにも有名。角川文庫版『涼宮ハルヒの憂鬱』では巻末の解説も担当され、その中でもハルヒの影響でラノベを書いたことをご自身んで触れられています。詳しくは角川文庫版『涼宮ハルヒの憂鬱』か、もしくは『カドブン』に掲載されています。

 カドブン

「【筒井康隆×ハルヒ】優れたユーモアSFであり、純文学でもある『涼宮ハルヒの憂鬱』」

https://kadobun.jp/reviews/686.html

 さて、そんな涼宮ハルヒに触発されて書かれたこの『ビアンカ・オーバースタディ』ですが、確かにハルヒの影響を感じさせるものがありましたね。涼宮ハルヒは学園ものとして後のライトノベルやアニメや漫画などに大きな影響を与えたと認識していますが、この『ビアンカ・オーバースタディ』においても、まさに学園ドタバタコメディの要素があります。

 とはいえラノベらしいかと言われるとそうでもなく、ラノベを意識して書かれていることは確かなのですが、やっぱりどことなく一般的なライトノベルとは毛色が違うような気がします。なんと言いますか、見様見真似なラノベという感じ。それこそメタ的に書かれたライトノベルと言えるのかもしれません。

 ただこのメタ的な要素というのが重要。というかむしろ筒井康隆作品らしさがあるといったところ。元々パロディネタを多用していた作風でしたしね。いくら『ビアンカ・オーバースタディ』がラノベを意識してラノベのフォーマットで書かれたライトノベルだとしても、それでも立派な筒井康隆の文芸作品として遜色ない内容になっているのはさすがだと感じました。

 というかパロディということならば、この『ビアンカ・オーバースタディ』は代表作でもある『時をかける少女』のセルフパロディと言える作品でもある。ホラ、どちらも主人公の女の子の前に未来人が登場する話ですしね。ラベンダーの香りはしませんけど『ビアンカ・オーバースタディ』はまんま『時をかける少女』だった。

 そう考えると、ふと思うのは、『時をかける少女』もラノベではなかろうか、ということ。当時はまだライトノベルという言葉がなかっただけで、感覚的には『時をかける少女』も充分ライトノベルとして分類できてしまえるのではないかと。中高生の登場人物で青春要素もあるSF(すこしふしぎ)な内容ですから、『時をかける少女』も美少女イラストの表紙と挿絵があれば立派なライトノベルと化すのではないかと、個人的に思ってみたり。

 そういうことであれば、『ビアンカ・オーバースタディ』が筒井康隆唯一のライトノベルとされていますけど、それ以前に、もっと昔からライトノベルの先駆けのような小説を書いていらっしゃるじゃないか、と思わなくもない。

 というか『涼宮ハルヒの憂鬱』においても『時をかける少女』のパロディネタがあるくらいですから、『時をかける少女』(筒井康隆)→『涼宮ハルヒの憂鬱』(谷川 流)→『ビアンカ・オーバースタディ』(筒井康隆)という世代を超えた流れを感じさせてちょっと面白いかも。

 という感じで、筒井康隆唯一のライトノベルとされている『ビアンカ・オーバースタディ』を読んで、名作『時をかける少女』はライトノベルだったのでは? と思い至ったのが今回の感想でした。

 あと、その他の感想としては、序盤で主人公の美少女が可愛い系男の子に手コキをするシーンが繰り返されるところで、「いったい何を読まされているんだろう……?」と思ったくらいですかね。それラノベ的なラッキースケベを通り越して、ただの官能的なエロシーンじゃないかとツッコミたかったです。

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