【小説】『姫百合たちの放課後』を読みました。エクスタシーですわ!? お姉さま!!

 Amazonをはじめ楽天市場やBOOK☆WALKERなど書籍を扱うサイトで百合作品を探していると、かなり高い確率でオススメされる作品があります。その本が表示される度に「まあ……機会があれば」と思う程度でスルーしていましたが、余りにも表示される――しかも百合関係ない本探しているときにも!!――ので、「そこまでオススメするなら読んだろうやないか!」という反発から読んでみることに。……反発というか、ただ単にサイトのレコメンドのいいカモになっているだけな気がしますけど……。

 タイトルは『姫百合たちの放課後』。まあ、お察ししていただけるかと思いますが、つまりは百合作品です。

  基本的な書籍情報。

  著者:森 奈津子

 『姫百合たちの放課後』

  早川書房 ハヤカワ文庫JAより出版

  刊行日:2008/8/1

  あらすじ

「ああ、静香お姉様!気高く清らかな白百合!わたくしがあなたを守ってさしあげます!」―サディストの魔手が迫る美しき先輩・静香の純潔を守るため、一計を案じた女子高生・純子の奮闘を描く表題作、オリンピック正式種目となった“自慰道”に懸ける青春「花と指」、地球外生命の侵攻から人類を救うレズビアニズムの奇跡「2001年宇宙の足袋」など、可笑しくも甘酸っぱい全9篇を収録する“百合コメディ”作品集。

 こちらは短編作品をおさめた作品集です。とはいえこのページ数でこれだけの作品を収録していますので、むしろショートショート集といってもいいかもしれません。

 収録作品は

『姫百合たちの放課後』

『姫百合日記』

『放課後の生活指導』

『花と指』

『2001年宇宙の足袋』

『お面の告白』

『一九九一年の生体実験』

『お姉さまは飛行機恐怖症』

『ひとりあそびの青春』

となっております。

 表題作の『姫百合たちの放課後』はまさに百合コメディ作品といったもので、基本女学校ものの百合なのですが人物たちのやりとりがいちいち面白い。その次の『姫百合日記』も『姫百合たちの放課後』の続編なのですが、こちらもコメディとしてずるいくらい笑える内容でしたね。

 で、その他の作品も紹介したいのですが、その……大変申し上げにくいのですが、どれも似たような内容なんですよね。

 その、あの手この手のシチュエーションを変えてはいるのですが、結局はお相手と緊縛系SMレズセックスするだけなんですよね。しかも縛るにしても縛り方がどの作品もほぼ同じでプレイ内容も大体一緒なので、「これは作者さんの趣味なのかな?」と思わずにはいられないお話でした。

(いやー、ほぼ同じ内容の作品がいくつもあるものですから、さすがにワンパターン過ぎるだろと感じたけど、でもむしろ潔いくらい。潔く過ぎて後半収録作品とかセックスシーンを流し読みしたくらい)

 という感じで、今時の「あら~」や「キマシタワー」みたいな広義的な百合というわけではなく、シリアスに感情を描く狭義のガールズラブというわけでもない、正真正銘のレズビアン小説といったところ。というか普通に官能小説ですよコレ。少なくとも昨今のファッション百合を語る自称百合好きが読むべき小説ではないと感じましたね。

 ……とはいえ自分もそのファッション百合な百合好きなんですけどね。ほら、百合とか全然関係のない美少女作品で女の子たちのやりとりを「絡み」として「あら~」や「キマシタワー」とか言いながら喜んでいる系のやつ。勝手に百合カップリングを組んで妄想を楽しむ感じ。

 最近だとウマ娘が個人的なトレンドで、ゴルマク(ゴールドシップ×メジロマックイーン)とかテイシン(トウカイテイオー×シンボリルドルフ)とか、あとウマ娘のアニメ勢としてはテイマク(トウカイテイオー×メジロマックイーン)も捨てがたい。

 と、こんな感じでただ単に女の子が二人いるだけで勝手にイチャイチャ変換して楽しんでいるのが自分です。

 一応ガールズラブも嗜んでいまして、漫画作品とかだと『citrus』(シトラス)とか好きですし、小説だと『あまいゆびさき』とか百合文芸の最高傑作としてお気に入りですよ。

 でもですね、この『姫百合たちの放課後』は……ヤルことがメインみたいなノリがあるんですよね。

 で、思ったのが、果たして百合作品にセックスシーンは必要あるのか? ということ。

 いやなんか広義的な百合として女の子同士がイチャイチャしているのが好きですし、ガールズラブみたいに真剣な恋愛感情からのキスシーンとかもいいんですけど、なんかレズセックスまでは求めていない感覚なんですよね。

 そういうことでいえば、よく同人誌とかで18禁百合ものの二次創作とかあって読んだこともあるのですが、「こういうんじゃないんだよなー」という気持ちになることがありますね。

 このあたりが本格的な百合好きではなくファッション百合で収まってしまっているのでは、と『姫百合たちの放課後』を読みながら自分自身を見つめ直していたといったところでした。

 というか、百合とか関係なく、異性愛の恋愛ものも自分そこまで興味がないのかもしれない。映画とか小説とかも恋愛作品をみてもそこまでピンと来ないんですよね。

 自分も素人ながらかつて小説を書いたことありますけど、今振り返ってみるとボーイミーツガールを書いてみたことはあるものの、恋愛にまで発展せずに結末を迎えているものがほとんどな気がします。「出会い」の話であって、それ以降は興味がない、みたいな。ほら新海誠監督作品で『君の名は。』も『天気の子』も恋愛として結ばれる話ではないでしょ。そういうのが好きなのかもしれません。

 とはいえ「恋愛」系全般がダメというわけではなく、自分も人間ですから人の色恋沙汰で面白いと感じることがあるのは確かなんですけど……そうか! わかった。自分は「物語」に性欲を求めていないのだ!

 物語において性欲を感じさせるものはむしろ萎えるのかもしれない。

 恋愛作品全般がダメなのではなく、性欲をむき出しにした恋愛がダメなのかもしれない。

 ということをこの記事を書きながら発見したのですが、確かに美少女作品の広義的な百合には「性欲」は描かれていませんし、ガールズラブにしたってキスまでは許容範囲内だけどそれ以上の行為は「ないわ……」てなるのかもしれない。

 ということで改めて感じたこととして「百合にセックスシーンはいらない」ということです。少なくとも自分はそうです。というか異性愛ものでも「物語にエロはいらねぇ」のかもしれない。いやでもお色気シーンとかは別に……。

 と、作品の感想記事からかなり脱線して自分自身の性癖の話になってきたので自重します。

 一応小説作品『姫百合たちの放課後』の感想として、メインは官能小説ですけど、収録作品はコメディとして面白く、中にはバカSFや私小説的な作品もあって楽しく読むことができる一冊だと思います。とくに表題作『姫百合たちの放課後』とその続編である『姫百合日記』は、ライトな百合ファンの方にもオススメできる作品だと思いますので、百合好きガールズラブ好きの方はどうぞ。

 という感じで、『姫百合たちの放課後』でした。

 ……なんか、すみませんでした。

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