【映画】劇場アニメ『君の膵臓をたべたい』見てきました。うーん……イイハナシダナー

※この記事は、小説投稿サイト「カクヨム」にて2018年9月8日に公開されたものを一部修正して転載しています。

カクヨム版

https://kakuyomu.jp/works/1177354054886711486/episodes/1177354054886931880

 昨日、仕事終わりに劇場アニメ版『君の膵臓をたべたい』を見てきました。原作小説はベストセラーで、先に公開した実写映画版は大ヒットなどのこともあり、噂だけ知っていた作品でした。

 以前『君は月夜に光り輝く』(著者:佐野徹夜)という電撃大賞で大賞受賞した作品を読み、ネットで感想を検索したときに「膵臓っぽい」という感想が散見していて、そこで初めて『君の膵臓をたべたい』という作品を知りました。そして実際に映画を見終わってから「ああ、『君は月夜に光り輝く』って確かに『膵臓』だったなー」と思いました。

 劇場アニメ『君の膵臓をたべたい』公式サイト

https://kimisui-anime.com/

 劇場アニメ『君の膵臓をたべたい』予告(YouTube)

 あらすじ(映画公式サイトから抜粋)

 彼女は言った。「君の膵臓をたべたい」 春。まだ遅咲きの桜が咲いている、4月のこと。 他人に興味をもたず、いつもひとりで本を読んでいる高校生の「僕」は、病院の待合室で、一冊の文庫本を拾う。手書きの文字で『共病文庫』と題されたその本は、天真爛漫なクラスの人気者・山内桜良が密かに綴っていた日記帳だった。日記の中身を目にした「僕」に、桜良は自分が膵臓の病気で余命いくばくもないことを告げる。それは、家族と医師以外には病気を隠している彼女にとってただひとり、秘密を共有する相手ができた瞬間だった。最期の日が訪れるまで、なるべくこれまでどおりの日常生活を送りながら、やりたいことをやり、精一杯人生を楽しもうとする桜良。そんな彼女の奔放な行動に振り回され、「僕」の心は少しずつ変化していく。――それは、「僕」の春の思い出。彼女の一生の思い出。

 所謂ヒロイン死んじゃう系の作品です。ただこの作品は難病ものという要素は控えめで、本筋としては「若者の死」を題材にし、「生きることとは」というテーマを突き詰めた物語になっていると感じました。

 そのため、途中のとあるシーンで、下手すると唐突ですらある意外な展開は、難病ものとしては不満の残るものになるかと思いますが、しかし前述のテーマ性を考慮すれば、妥当な展開だといえるでしょう。これもこれでアリ、みたいな。

 映像作品としては、人物の心情を表現する演出方法が素晴らしく、またカメラアングルや光の使い方などが非常に上手いので、映像作品としてとても見応えのあるものになっていました。もうただただ「見せ方にくいなー」「演出うまいなー」と思いながら見ていました。これ絵コンテ描いた人天才じゃないだろうか。そう思わずにはいられません。

 あと声の演技の方も、それぞれの人物のキャラクター性をうまく表現されていて、とても馴染む演技だったと思います。絵的な区別だけではなく、その人物の本質を捉えた役作りとなっていて好感が持てました。主人公の声もいい味出しててよかったです。

 この映画、決して絵的に派手な作品ではありませんが、しかし映像作品としてとても高いクオリティの作品だと感じました。これは間違いなく良作です。

 そんな良作ですが、見ている間はもちろん「面白いなー!」と感じ、見終わった直後も「いい話だったな……」と心が浄化された感覚になりました。らしくもなく映画グッズを買って帰りました。

 ですが家に帰ってから時間が経つにつれて、「イイハナシダッタカナ?」と思い、そして深く振り返ってみればみるほどに「そこまでのものだったか?」という感想が出てきました。

 いや本当なら見たその日にこのエッセイ擬きを更新するつもりだったのですが、でも多分当日に書いていたら確実にマイナスな感想になっていたでしょう。

 昨夜の感覚では、間違いなく「いうほどの作品じゃない」という印象になっていました。だがしかし! 実際に上映中、そして上映直後のことを思い返してみれば、面白かったのは間違いないのです。ならなぜこんなにも真逆な印象になるのか?

 結局昨夜は更新せず、一夜明けて休日、ゆっくりパンフレットを読み込んだり、映画の予告動画を見たりして(基本私は、フラットな気持ちで作品を見たいために、余計な事前情報を得ず、映画を見終わってから振り返りとして予告編を見ています)、劇場アニメ『君の膵臓をたべたい』を深く掘り下げてみました。そして気がついたことがあります。

 私、劇場アニメ『君の膵臓をたべたい』を、映像作品として楽しめただけであって、感情的には全く共感せず微塵も感動していなかったのです。

 いや感動系映画で全く感動しなかったって、それ致命的ですよね。

 でも悪いのは作品ではありません。

 天才的な絵コンテによる巧みな演出、起承転結がしっかりしたストーリー、作品に秘められたメッセージ性、そのどれを見てもクオリティが高く、素晴らしい作品であったことは間違いありません。ちゃんと観客が共感するよう、そしてちゃんと感動できるようなポイントは、作中内でしっかりおさえられていました。この『君の膵臓をたべたい』という作品が、メディアの垣根を超えて支持され、多くの感動を誘ったことも理解できます。大ヒットしているのも頷けます。

 悪いのは私です。私の感受性が死んでいるだけです。

 いや、そういうことでしょ。作品として完璧なものであるのにも関わらず本質的な部分ではなにも感じていないのなら、それは完全に受けて側の落ち度です。

 そういった意味では、劇場アニメ『君の膵臓をたべたい』は、私に「お前の感受性が死んでいるのを自覚させてやる!」と突き付けられた作品でした。腐っていたのは膵臓ではありません。真に腐っていたのは私の感情でした。

 まあ……そりゃそうですよね。主人公の「僕」は私に似ている部分があって、序盤は「お前は俺か!?」と思いましたよ。自己完結型の人物である主人公「僕」を理系にして年齢を上げればまさに私ですからねー。感情が枯れるのも仕方がない。

 ましてはこの映画は、現役の中高生や、家族向けやカップルのデート向けの所謂一般向けの内容ですから、そもそもの話作品が想定していたターゲット層の外側にいるであろう私に響かなくてもなんも不思議ではありません。悪いのはそんな広義的な意味でのリア充映画を見に行った私にあるのです。

 ああ……私も高校生のときに、桜良ちゃんみたいな女の子と出会えていれば、人生変わったのだろうか……。なぜ出会えなかったのだろう……。

 そういう意味でなら、劇場アニメ『君の膵臓をたべたい』は私の心をズタズタに打ちのめした作品といえるでしょう。はぁ……高校生に戻って青春をやり直したい……。いや、戻るだけじゃ繰り返しになるから、いっそのこと転生して最初からやり直したい……。

 いや、なんか否定的なことを書いていますけど、劇場アニメ『君の膵臓をたべたい』はいい作品ですよ。これは見て損のない良作です。公開してまだ一週間しか経っていないので、まだまだ劇場公開しています。見に行くなら今です。

 最後に、劇場アニメ『君の膵臓をたべたい』の総評。

 Q.劇場アニメ『君の膵臓をたべたい』はどうでしたか?

 A.桜良ちゃんが可愛かった!

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