【アニメ】『ゾイドワイルド ZERO』ゾイドはいいぞ~。知らなくても楽しめるぞ~

※この記事は、小説投稿サイト「カクヨム」にて2019年11月20日に公開されたものを一部修正して転載しています。

カクヨム版

https://kakuyomu.jp/works/1177354054886711486/episodes/1177354054892378341

 秋アニメですが、その中でもなんとなく見始めたものの面白くて視聴を継続している作品があります。今期スタートの夕方アニメ『ゾイドワイルド ZERO』です。

 テレ東ページ

https://www.tv-tokyo.co.jp/anime/zoidswild-zero/

 ニコニコチャンネル

https://ch.nicovideo.jp/zoidswild-zero

 ニコニコ動画 無料第1話

https://www.nicovideo.jp/watch/1570177443

『ゾイドワイルド ZERO』はつまりゾイドシリーズ最新作なんですけど、自分としては昔少年漫画誌かなんかで連載していたゾイドしか知りません。なんかこう、青いゾイドで登場人物たちの顔に入れ墨(?)がある作品だったような気がしまして、昔過ぎて内容とか全然思い出せないのですが、断片的に覚えていることといえば海でバリアを足元に展開して海上航行&バトルしているシーンくらいですかね。もうほぼほぼ何も知らないレベルです。

 正直に言うと、「え? ゾイドってまだ続いているの?」という感覚でした。

 そんなゾイド無知な状態なのに最新シリーズ『ゾイドワイルド ZERO』を見始めたのですけど、意外と楽しんでいます。

 タイトルにゼロとある通り『ゾイドワイルド』の前日譚のようです。『ゾイドワイルド』は去年の夏から1年間(4クール)アニメが放送されていたようで、1クール間を挟んで今回の『ゾイドワイルド ZERO』となるみたいです。自分は前作『ゾイドワイルド』を見ていないし、そもそも放送していたことすら知らなかったのです。ハイ。ただ前作からキャラクターや舞台設定等は引き継いではいないようでして、自分みたいな新参者でも難なく馴染める導入となっています。そこはさすがにキッズアニメですから、視聴のハードルは低めに設定されていますね。

 ただ『ゾイドワイルド ZERO』はあくまで夕方のキッズアニメです。自分のようないい年した大人はそもそもターゲット層から外れています。自分も朝アニメや夕方アニメもたまに見るのですが、やはりというかキッズ作品特有のノリについていけず数話で脱落することがほとんどです。とくに朝アニメは壊滅的で、最終話まで視聴した作品って多分『しゅごキャラ!』が最後だと思います。……『しゅごキャラ!』がもう十年前の作品であることが発覚して軽くショックを受けてますが……。

『ゾイドワイルド ZERO』もキッズアニメらしく子供受けするようなストーリー構成になっていますし、必殺技のシーンとか男の子のハートを掴む熱さがあっていいと思います。

 一方で、世界観の設定などが意外と作り込まれており、その部分がいい年した大人でも楽しめる要素となっているのだと思います。

 その設定開示のシーンが第2話となります。ザックリ説明しますとこうです。

 21世紀に突如出現したゾイドによって地球は崩壊。汚染された地球を脱出し、長い年月ののち帰還するためにゾイド因子で地球を浄化しようとしますが、移民船団での反乱により失敗。一部移民船が危機回避のため通過したワームホールによって過去にタイムスリップしてしまい、21世紀の正常だった地球に墜落した移民船によって地上は壊滅的な被害を受ける。本来地球を再生するはずだったゾイドによって文明を破壊され、のちに本来の予定通りに到着した残りの移民船によって地球は再生されるものの不完全であり、数十年後地球の環境に適応した第二世代の人類が化石化した旧ゾイドを発掘しながら生きている。

 といった具合です。

 ベースの部分は所謂ポストアポカリプスものであり、第1話から廃墟となった都市など旧文明を想起とさせる遺物が登場してきます。そこに宇宙SFや時間SFの要素も取り入れていまして、想像以上にしっかりガッツリSFをやっている印象を受ける内容となっています。「これキッズついてこられるかしら?」と心配するくらい大真面目なSFになっているのですよ。でもこの部分が序盤にあったからこそ、いい年した大人でも設定に興味を持つことができ、キッズ作品以前にSF作品として見応えのあるアニメという感想を抱くのです。

 そして本筋のストーリーでは、主人公のレオとヒロインのサリーによる超王道ボーイミーツガールでして、アニメ作品を親しんできたいい年した大人としてニヤニヤが止まらないのです。とくに第7話では、サリーちゃんのヒロイン力といいますか、嫁感が急上昇していて、もうサリーちゃんのデレ具合に悶絶する内容でした。個人的にはガンダムXのガロード&ティファのカップル並みの最強ボーイミーツガールを予感させるものでしたね。

 この素晴らしいボーイミーツガールを描きつつ、舞台のコンセプトとしてはポストアポカリプスによる冒険物語となるわけですから、もういちアニメファンとしてたまらないのです。キッズ向けではありますが、何気に毎週楽しみにしているアニメですね。

 ただまああくまでキッズアニメなので、話の展開としては実にシンプルです。Aパートで冒険を進めて状況が転化し、Bパートでのバトル、そして必殺技でエンド。といった感じで、全体的な大きいストーリーの目的はあるものの、1話ごとに見ていくと割とワンパターンな展開。まあ一話完結の連作として捉えることができ、途中から視聴しても大体の話を理解することが可能なので、これはこれでいいと思います。前作『ゾイドワイルド』が4クール放送したので今回の『ゾイドワイルド ZERO』もおそらく4クールだと思われますので、長い目で見ていきましょう。

 そんなこんなで、秋の新アニメのダークホース的なポジションの作品『ゾイドワイルド ZERO』でした。ゾイドを知らなくとも普通に楽しめます。

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